お金のいらない国4の感想|互いの違いを認め合う
現代に生きる青年のもとへお金のいらない国の紳士が再び遊びに来ます。青年は現代の同じを良しとする人間関係や教育の在り方に疑問を抱くという内容です。
この世界の争いのほとんどは、意見の食い違いとお金から起きています。
お金がいらなくなり、みんながお互いの違いを認められたとき、世の中はどんな風に変わっていくのでしょうか?
- みんな同じでなくてもいいと思えるようになる
- 何でも枠にはめて思考している自分を知る
- 日々の選択が今と未来を作っていることに気付ける
と思います。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
「受け入れる」ではなく「受けとめる」
意見の違いから言い争いになった経験はないですか?お金のいらない国では、違う意見は「受けとめる」という方法で互いを認め合って生きています。
受けとめるっていうのは、自分がどう思うかはおいといて、相手の意見を認めることよ
お金のいらない国4|長島龍人
違う意見を受け入れさせようとしたり、受け入れなきゃいけないと思うから反発が起こります。
「あなたはそう思うのね」と受けとめるだけでいいのです。
怒りはすべてを傷付ける
お金のいらない国では「怒る」という概念がありません。
感情に任せて怒ることで何が起きるでしょうか?
怒られた相手は萎縮し、周りからは反感を買います。そして、怒った当人は冷静な判断を失い、人から敬遠される。自分にも周りにも良いことはありません。
怒りたくなるのは、自分の思ったように人や環境をコントロールできなかったから。
コントロールできないものを自分が勝手に期待したり、思い込んだりして怒っているのです。
私たちはまだ、お金のいらない国の住人のように精神的に成熟できていません。
だからこそ、感情を制御する練習をして自分と周りに優しくなりたいですね。
答えは相手が持っている
失敗したことに対して、怒って責めたところで状況は良くなりません。
やってしまったことは、本人が一番わかっているんですから、それ以上責める必要はないでしょう
お金のいらない国4|長島龍人
責めるのではなく、相手が持っている答えを一緒に引き出してあげる。
余裕がないと、ついワッと爆発したくなります。少しずつ、相手に委ねるということを心がけたいです。
なぜみんなと同じことを学ぶの?
お金のいらない国では、義務教育というものはありません。
なぜ私たちの社会には、義務教育があるのか?文部科学省のページによると下記のように説明されています。
社会に生きる市民として,職業生活,市民生活,文化生活などを充実して過ごせるような力を育むことと言える。
2義務教育の目的,目標:文部科学省|文部科学省
日本人で文字を読み書きして理解できる人は、ほぼ100%といわれています。これは、義務教育の恩恵でもあります。
義務教育で同じことを学ぶことは、お金とどんな関係があるのでしょうか?
みんなが読み書きや計算ができれば、働く際に教育する手間が減って効率的です。そして、集団に合わせて行動することに慣れていれば、会社のルールに従い、みんなで同じ仕事をしてもらえるので生産的ですよね。
同じ教育された結果、効率よく人を使ってお金稼ぎができるようになりました。でも、みんなと違うことへの恐怖、枠から出た人への差別意識が強くなっているように感じます。
枠にはまらない教育
お金がいらない国では、自分の好きなことを好きなタイミングで学びます。大人も子供も関係なく、お互いに教えあって学んでいるのです。
そして、行動を制限するルールがないので、規則を破る不良や学校へ行かない不登校という概念は存在しません。
私たちの生きる社会では、みんなと同じことができない人は問題児と認識されます。それが原因で反発したり、自分を過小評価するようになったり、外の世界に出ていくことが怖くなったりする人もいます。
自分自身を考えてみると、枠だらけ。会話の中にも頭の中にも「こうあるべき」「しなければならない」「普通は」というワードが頻繁に出てきます。
固定概念を外すことを意識して生活することが大切ですね。
勝ち負けは必要?
私たちは、すべてにおいて勝ち負けや優劣をつけたがります。
スポーツでは、勝ち負けが重要です。男女関係では、一人以外は排除しなければなりません。教育では、成績で進路が左右されます。
大事なのは結果ではなく、そこに至るプロセスなのではないか。
お金のいらない国4|長島龍人
本来は、過程を楽しんだり、力を出し切れればそれでいいはず。でも、お金が関わると複雑になります。
お金と無縁の幼少期であれば、結果ではなく過程を評価してもらえました。でも、お金を稼ぐ大人になると、過程よりも結果が重視されます。プロセスはどうあれ、結果的にお金が稼げれば評価される傾向にあります。
支配者は存在しない
私たちの生きている不自然な社会は、支配者層がコントロールしているのでしょうか?
この不自然な社会を作り上げたのは、私たちなのです。
「仕方ない」「このくらいなら」「きっとこうだろう」と、一人ひとりがやっている日々の小さな選択が地球の今を作りました。
一人ひとりが自分で考え、社会の不自然さに気づいて行動することで未来は変わります。
まずは自分ができそうな範囲からでいいと思います。例えば…
- 感謝を言葉で伝える
- 何もなくても子供に愛してると伝える
- 必要以上に買わない、溜め込まない
- 金額を優先して物事を考えるクセを改める
- 自分と違う意見を批判せず受け止めてみる
- 自分が回避できるなら混雑を避けて行動する
- 家族をコントロールしたい自分に気付く
など…考えると色々出てきます。
お金のいらない国4の感想|まとめ
お金のいらない国は、人も環境も無理がなく楽園のようです。でも、お金のいらない国も失敗から皆が学び、少しずつ未来を良い方向に変えてきたのだと思います。
現代の私たちがいまできることは、お金や誰かに左右されない自分の意見を持っておくこと。そして、自分ができることを探して行動すること。
自分をよく観察して、すり込まれた固定概念を取り外していくことも大切です。
お金のいらない国1~3まで「誰かがいつか社会を変えてくれる」と自分はまるで被害者の気分で読んでいました。4を読んで「犯人は私」だと言われて、ギクッとした自分がいました。
「自分なんかの選択が世界を変えるわけない」から「自分の選択が世界を変える」と転換できたことで、以前より真剣に人生を楽しめていると感じます。
現代の人間関係や教育について違和感を感じている人は、ぜひお金のいらなく国4を読んで固定概念を外してみてくださいね!